僕たちが届ける活動図鑑
中高生が自ら見てきた団体の中身を覗いてみよう!
今回インタビューしたのは...
はる
「自分らしさ」と「好奇心」を原動力に。会社員として、原告として、気候変動に向き合う
ぼくの書いた記事
「ここ見て!」ポイント
- 会社員として働きつつ若者気候訴訟原告や気候変動啓発活動を行う
現在行っている活動について教えてください。
いま主に取り組んでいるのは「明日を生きるための若者気候訴訟」(略称:若者気候訴訟)です。この訴訟の原告の一人として活動しています。 日本の大手電力会社に対して、「科学的に妥当な温室効果ガス削減の数値をしっかり出してほしい」ということを求めている訴訟で、気候変動対策のアクションの一つです。もう一つ、「気候不安(Climate Anxiety)」に関する活動もしています。目的は大きく二つで、一つは医療従事者に対して気候不安というものを啓発していくというところ。もう一つは、気候不安を感じている人たちにも、これが単なる名前のないモヤモヤではなく、「気候不安」というれっきとした症状であり、正常な反応なんだということを伝え、コミュニティを作ることを次の目標にしています。
(若者気候訴訟の)原告としては、具体的にどのような活動をしているのでしょうか?
弁護士の先生や支援団体(気候ネットワークなど)が手続き的なところを担ってくれるので、原告としてのハードルがとても高いわけではありません。やることとしては、法廷での意見陳述で各々の思いを述べることや、この気候訴訟に多くの人から興味を持ってもらうためにSNSで情報発信したり、イベントを開催したりすることです。 訴訟は何年もかかるのが普通なので、いかに持続的に取り組み、多くの人に関心を持ち続けてもらえるか、ということが重要だと思っています。 若者気候訴訟には、全国に住む17人の若者――北は北海道から南は長崎まで、中学生から30歳くらいまでの若者が原告として参加しています。「明日を生きるための若者気候訴訟」というのが正式名称なんですが、「明日を生きる」と入れたのも、将来世代が中心となって原告をしているからです。単なる損害賠償請求というよりは、将来世代にもっと目を向けてほしいという意味を込めた運動です。 この訴訟で 伝えたいことはシンプルで、大手電力会社10社が、日本のエネルギー部門のCO2排出量の約3割を排出しています。ここが変わってくれたら、気候変動対策にとって、とても大きい。なので、「CO2排出量の削減をどう進めるのか、定量的な目標をしっかり定めてくださいね」と裁判を通じて求めています。
もう一つの活動、心理的安全性や気候不安の話についても聞かせてください。
今年の6月に札幌で行われた医学系の学会にブース出展して、「メンタルヘルス×気候不安」という題材でブース展示をしました。 大きな目的は二つあり、その一つは、医療従事者に対して気候不安を啓発すること。もう一つは、なんとなく気候変動に対する不安やストレスを感じているけれど言語化されていない人たちに対し、「それは全く正常な反応なんだよ」と伝えることです。そういったメンタルヘルスと気候不安で悩んでいる人たちのコミュニティを作ることを次の目標にしています。
社会運動をしていてよかったと思うことはありますか?
自分に嘘をついていないことです。周りから「すごいね」「頑張ってるね」と言われるのも励みになりますが、なんで続けれているかというと、自分のやりたいことや正義に対してしっかりと軸を持って動けているからです。自分らしさや、自分にしか出せない価値を感じられた時に喜びにつながると思います。
影響を受けた作品や人
坂本龍一と宮崎駿 坂本龍一さんの音楽性に加え、社会運動に対して積極的で、エッセイなどで自分らしく生きる姿勢に感化されました。 宮崎駿さんの好奇心に一途な生き様と、彼の作品の世界観にも影響を受けました。特に『風の谷のナウシカ』(漫画版)で、ナウシカが「将来を担う人間の命(卵)」があるにも関わらず、それを否定して、「どんなに破滅の道であろうとも、私たちは私たちが生きる道を選ぶ」という選択をする。その実存主義的な生き方が、自分らしさの極致だなと思って共感しました。
TSU-RU
TSU-RUでは、社会運動に取り組む人々を紹介していきます。